バイアグラジェネリック（シルデナフィル）の副作用は？医師が種類・頻度と対処法を解説

ED治療薬として広く知られるバイアグラジェネリック（シルデナフィル）ですが、効果がある一方で「副作用が心配」という方も少なくありません。どのような症状が、どのくらいの頻度で起こるのか、そして起きた時にどうすれば良いのかを正しく知っておくことは、安心して治療を続けるために非常に重要です。この記事では、泌尿器科専門医が、シルデナフィルの主な副作用の種類、発現率、そして具体的な対処法について詳しく解説します。

シルデナフィルの主な副作用とその原因

シルデナフィルの副作用の多くは、有効成分であるシルデナフィルが持つ「血管拡張作用」によって引き起こされます。この作用は、陰茎の血管を広げて勃起を促すために不可欠なものですが、同時に全身の他の血管にも影響を与えるため、いくつかの随伴症状が現れることがあります。しかし、これらの症状のほとんどは一時的で、薬の効果が薄れるとともに自然に解消されることが大半です。

国内で行われた臨床試験によると、主な副作用の発現率は以下の通りです。

出典: バイアグラ錠 添付文書

副作用が出た時の具体的な対処法

副作用の多くは軽度で一時的ですが、症状が出た際の対処法を知っておくと、より安心して服用できます。

頭痛がする場合

シルデナフィルによる頭痛は、市販の頭痛薬（ロキソプロフェンやイブプロフェンなど）を併用することで対処可能です。ただし、日常的に頭痛がある方や、痛みがひどい場合は、一度医師に相談してください。

顔のほてり・目の充血

これらの症状は、血行が良くなっている証拠でもあります。基本的には心配する必要はなく、薬の効果が切れるにつれて自然に治まります。無理に冷やしたりする必要はありません。

動悸がする場合

一時的なものであれば問題ありませんが、もし胸の痛みや息苦しさを伴う場合は、直ちに服用を中止し、医療機関を受診してください。狭心症などの心疾患がある方は、シルデナフィルを服用できない場合があります。

特に注意すべき重篤な副作用

頻度は極めて稀ですが、以下のような症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。

• 持続勃起症（プリアピズム）: 勃起が4時間以上続く状態です。放置すると陰茎組織が損傷し、永久に勃起できなくなる可能性があります。
• 急激な視力低下・視力喪失: 非動脈炎性前部虚血性視神経症（NAION）という重篤な目の病気の可能性があります。

これらの症状は自己判断で様子を見ず、すぐに専門医の診察を受けてください。

副作用のリスクを減らすためのポイント

副作用のリスクは、正しい知識と服用方法で最小限に抑えることができます。

• 必ず医師の診察を受ける: 安全に服用できる健康状態か、併用禁忌薬はないかなどを専門家が判断します。個人輸入などは絶対に避けてください。
• 用法・用量を守る: 医師に指示された量以上に服用しても効果は強まらず、副作用のリスクが高まるだけです。
• アルコールとの併用は控える: 多量のアルコールは、血管拡張作用を強め、めまいや急激な血圧低下を引き起こす可能性があります。

まとめ：副作用の正しい知識が、安心なED治療の第一歩

シルデナフィルの副作用は、その多くが一時的で軽度なものです。しかし、稀に重篤なものも存在するため、どのような症状があり、どう対処すれば良いのかを事前に理解しておくことが重要です。最も大切なのは、必ず信頼できる医療機関で医師の診察を受け、処方してもらうことです。正しい知識を持って、安全にED治療に取り組みましょう。