シルデナフィルの効果はバイアグラと同じ?ジェネリックが安い理由と安全性の根拠を解説
「バイアグラを使い続けたいけれど、1錠2,000円近い出費は正直きつい……」
そう感じて、安価な『シルデナフィル』という選択肢に辿り着いたのではないでしょうか。しかし、あまりの安さに「本当に同じように効くのか?」「安かろう悪かろうで、体に悪い成分が入っているのではないか?」と不安になり、検索窓にその疑問を打ち込んだはずです。
ご自身の体を大切に思うからこそ、その慎重さは正しい反応です。泌尿器科医として多くの患者様と向き合ってきた私から、まず結論をお伝えします。
日本国内で承認されているシルデナフィルは、バイアグラと「成分」「効果」「安全性」において、医学的に同等であることが国によって証明されています。
この記事では、なぜこれほど価格が違うのかという「安さの正体」から、国が行う厳格な試験の裏側まで、専門医の視点で分かりやすく解説します。読み終える頃には、あなたが抱いている不安は「科学的な確信」へと変わり、自信を持って最適な選択ができるようになっているはずです。
なぜシルデナフィルはバイアグラより安いのか?「安さの正体」を専門医が解説
診察室で「先生、ジェネリックって本当に大丈夫なんですか?」と聞かれない日はありません。特にバイアグラのような薬は、ご自身の体に直接関わるものですから、安さへの不安は当然です。
しかし、泌尿器科医として断言します。シルデナフィルの安さは「品質の手抜き」ではなく、「特許という仕組み」の結果です。
先発品であるバイアグラを開発したファイザー社は、この薬を世に出すために数千億円という膨大な研究開発費と、10年以上の歳月を投じました。バイアグラの開発努力を保護するために与えられるのが「特許」です。特許期間中は開発した会社が独占的に販売できるため、開発費を回収するために価格が高く設定されます。
一方で、後発品であるシルデナフィルは、バイアグラの特許が切れた後に発売されました。すでに安全性や効果が証明されている「設計図」を利用して製造するため、莫大な開発費がかかりません。
シルデナフィルの低価格化は、開発コストの削減によって実現したものです。例えるなら、バイアグラは「ゼロから試行錯誤して建てた注文住宅」、シルデナフィルは「すでに完成された優れた設計図を使い、効率的に建てた家」のようなものです。使われている建材(有効成分)が同じであれば、住み心地(効果)が変わらないのは当然のことなのです。
【検証】効果と安全性は本当に同じ?「生物学的同等性試験」という厳格な証明
「成分が同じでも、作り方が違えば効き目も変わるのでは?」という疑問もよく耳にします。ここで重要になるのが、日本における医薬品の承認を司るPMDA(医薬品医療機器総合機構)による厳格な審査です。
日本でシルデナフィルを販売するためには、「生物学的同等性試験」という厳しいハードルをクリアしなければなりません。生物学的同等性試験とは、先発品であるバイアグラと、後発品であるシルデナフィルを服用した際、有効成分が血液中に溶け出す「速さ」と「量」が一致するかを調べる試験です。
生物学的同等性試験の結果により、シルデナフィルがバイアグラと全く同じタイミングで、同じ強さの効果を発揮することが科学的に証明されています。つまり、医学的な観点からは、バイアグラとシルデナフィルの間に「効果の差」は存在しないと言い切れるのです。
添加物の違いは影響する?副作用や飲み心地に関する「よくある誤解」
「有効成分は同じでも、添加物が違うから副作用が出るのでは?」と心配される方もいらっしゃいます。確かに、錠剤を固めるための乳糖や結晶セルロースといった「添加物」の構成は、メーカーによってバイアグラとは異なります。
しかし、添加物の構成が異なることで、バイアグラにはない未知の副作用がシルデナフィルに現れるといったことは、医学的にまず考えられません。これらの添加物はすでに他の多くの医薬品や食品で使用され、安全性が十分に確認されているものに限定されているからです。
むしろ、後発品メーカーは「飲みやすさ」において先発品を上回る工夫を凝らしていることもあります。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: ジェネリックは「単なるコピー」ではなく、より使いやすく改良された「進化版」であることも多いです。
なぜなら、日本人の喉のサイズに合わせて錠剤を小型化したり、水なしで飲める「OD錠(口腔内崩壊錠)」を開発したりと、後発品メーカーは独自の付加価値を競っているからです。添加物の違いによる副作用を心配するよりも、ご自身にとって「飲みやすい形状」を選べるメリットの方が大きいと言えるでしょう。
【警告】ネットの激安品には要注意。国内承認ジェネリックと個人輸入の決定的な違い
ここまで「シルデナフィルは安全だ」とお話ししてきましたが、これには絶対的な条件があります。それは、「日本の医療機関で処方された国内承認薬であること」です。
インターネット上の個人輸入代行サイトなどで見かける、1錠100円といった激安の海外製シルデナフィルには、極めて高いリスクが潜んでいます。
インターネットで購入したED治療薬の55.6%が偽造品であった。
出典: 偽造ED治療薬 4社合同調査 – ファイザー株式会社他, 2016年
偽造品には、有効成分が全く入っていないものだけでなく、不純物や有害物質が混入しているケース、あるいは有効成分が過剰に含まれており、深刻な健康被害を招くケースが報告されています。
あなたが本当に避けるべきリスクは「ジェネリック」そのものではなく、医師の診察を通さない「不透明な入手経路」にあるのです。国内承認薬であれば、万が一の際にも国による救済制度が用意されています。
| 比較項目 | 国内クリニック(シルデナフィル) | 個人輸入代行(海外製) |
|---|---|---|
| 安全性 | 極めて高い(国が承認) | 極めて低い(偽造のリスク大) |
| 偽造品の割合 | 0% | 55.6%(約2個に1個が偽物) |
| 医師の診断 | あり(体質に合うか確認) | なし(自己責任) |
| 公的な補償 | 医薬品副作用被害救済制度が適用される | 適用されない |
| 1錠あたりの価格 | 800円〜1,000円程度 | 100円〜500円程度 |
まとめ:科学の成果を賢く利用し、自信を取り戻す
シルデナフィルは、バイアグラの特許が切れたことで生まれた「科学の成果」です。国が定めた厳格な試験をクリアし、先発品と同等の効果と安全性が保証されています。
「安かろう悪かろう」という不安から、高価な先発品を無理して使い続けたり、逆に危険な個人輸入に手を出したりする必要はありません。信頼できる国内の医療機関で相談し、正当なジェネリック医薬品を手に入れること。それが、経済的にも身体的にも、最も賢く安全な選択です。
国内承認のシルデナフィルを選択することは、医学的根拠に基づいた合理的な判断です。コストの不安から解放され、パートナーとの時間を心から楽しめるようになる。その一歩として、まずは専門医に「シルデナフィルを検討している」と相談してみてください。
参考文献
- 後発医薬品(ジェネリック医薬品)及びバイオシミラーについて – 厚生労働省
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)公式サイト
- 偽造ED治療薬 4社合同調査結果 – ファイザー株式会社、バイエル薬品株式会社、日本新薬株式会社、日本イーライリリー株式会社

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