【医師監修】ED(勃起不全)とは?原因・症状から自分でできるセルフチェックまで徹底解説
「もしかして自分はEDかもしれない…」と感じても、誰にも相談できず一人で悩んでいませんか?EDは決して珍しい病気ではなく、成人男性の4人に1人が何らかの症状を抱えているとも言われています。大切なのは、EDについて正しく理解し、適切な対処法を知ることです。この記事では、泌尿器科専門医がEDの基本的な定義から、考えられる原因、具体的な症状、そして自分でできるリスクチェックの方法まで、分かりやすく解説します。
ED(勃起不全)の正確な定義とは?
👉 このパートをまとめると!
EDとは、満足な性行為のために十分な勃起が得られない、または維持できない状態を指す医学的な疾患名です。単に「勃起しない」だけでなく、「途中で萎える(中折れ)」もEDに含まれます。
EDは「Erectile Dysfunction」の略で、日本語では「勃起不全」または「勃起障害」と訳されます。日本性機能学会が発行するED診療ガイドラインでは、「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」と定義されています。
重要なのは、完全に勃起しない状態だけを指すのではないという点です。以下のような症状もEDに含まれます。
- 勃起はするが、硬さが足りない
- 勃起を維持できず、途中で萎えてしまう(中折れ)
- 時々、勃起しないことがある
これらの症状に心当たりがある場合、それは意志の弱さや愛情の問題ではなく、治療を検討できる医学的な状態である可能性をまず認識することが大切です。
EDの主な4つの原因|あなたはどのタイプ?
👉 このパートをまとめると!
EDの原因は、体の問題(器質性)、心の問題(心因性)、両方が合わさった(混合性)、薬の副作用(薬剤性)の4つに大別されます。原因によって対処法も異なります。
EDが起こるメカニズムは一つではありません。ご自身の原因がどのタイプに近いかを知ることが、解決への第一歩となります。
1. 器質性ED(体の問題)
血管や神経、ホルモンの異常など、身体的な原因によるEDです。特に、加齢や生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症など)による動脈硬化が大きく関わっています。血管が硬く、狭くなることで、勃起に必要な血液が陰茎海綿体へ十分に流れ込まなくなるのです。
2. 心因性ED(心の問題)
身体的には問題がないものの、ストレスや不安、過去の失敗体験(トラウマ)などが原因で起こるEDです。特に「また失敗したらどうしよう」という「予期不安」は、脳からの勃起の指令を妨げる大きな要因となります。20代~30代の若い世代のEDは、この心因性が原因であることが多いとされています。
3. 混合性ED(体と心の問題)
器質性EDと心因性EDの両方の要因が合わさったタイプです。例えば、加齢や生活習慣病で少し勃起力が落ちてきたところに、一度の失敗体験が重なり、予期不安が生まれてさらに症状が悪化する、といったケースがこれにあたります。40代以降のEDでは、この混合性が最も多いと言われています。
4. 薬剤性ED(薬の副作用)
服用している薬の副作用としてED症状が現れることがあります。降圧剤(血圧の薬)、向精神薬、一部のAGA治療薬(男性型脱毛症の薬)などが原因となる可能性があります。ただし、自己判断で服用を中止するのは絶対にやめてください。必ず処方した医師に相談することが重要です。
もしかして?自分でできるEDセルフチェック(IIEF-5)
👉 このパートをまとめると!
世界的に用いられている質問票「IIEF-5」を参考に、ご自身のEDリスクを簡単にチェックできます。合計点数が21点以下の場合、専門家への相談が推奨されます。
ご自身の状態を客観的に把握するために、国際的に広く用いられている「勃起機能スコア(IIEF-5)」を簡略化したセルフチェックを試してみましょう。過去6ヶ月間の状態を思い出し、各質問に最も近い点数をつけて合計してください。
質問 | 全くない (1点) |
たまに (2点) |
半分くらい (3点) |
ほとんど (4点) |
いつも (5点) |
---|---|---|---|---|---|
勃起を維持する自信はどれくらいありましたか? | |||||
性的刺激で勃起した時、挿入可能な硬さになりましたか? | |||||
性行為の際、挿入後に勃起を維持できましたか? | |||||
性行為を最後までやり遂げるために、勃起を維持するのはどれくらい困難でしたか? | |||||
性行為を試みた時、満足できましたか? |
【点数の目安】
合計22点以上: 正常
合計21点以下: EDの疑いがあります。点数が低いほど重症度が高いとされています。一度、専門のクリニックに相談することをお勧めします。
EDの治療法と相談先
EDは治療できる疾患です。主な治療法には、ED治療薬(バイアグラ、シアリスなど)を用いた薬物療法や、心因性が強い場合のカウンセリングなどがあります。生活習慣の改善も非常に重要です。
もしセルフチェックでEDが疑われたり、ご自身の症状に不安を感じたりした場合は、一人で悩まずに泌尿器科や専門のクリニックに相談してください。最近では、自宅からスマホで相談できるオンライン診療も普及しており、気軽に専門家のアドバイスを受けることが可能です。
コメント