【医師監修】健康診断の前日に慌てない!食事・運動で「やってはいけないこと」「やるべきこと」完全ガイド
健康診断を数日後に控え、「少しでも良い結果を出したい」と焦る気持ち、よく分かります。しかし、前日や当日の間違った過ごし方は、かえって数値を悪化させてしまう可能性があることをご存知でしょうか。この記事では、健康診断で正確な結果を得るために、食事や運動、睡眠に関して「やってはいけないこと」と「やるべきこと」を、専門医が分かりやすく解説します。
健康診断の前日に「やってはいけないこと」リスト
良かれと思ってやったことが、実は検査結果に悪影響を及ぼすことがあります。特に以下の4つのポイントは、前日の夜から避けるようにしましょう。
1. 夜9時以降の食事や間食
健康診断の血液検査には、空腹時血糖値や中性脂肪など、直前の食事の影響を大きく受ける項目が含まれます。正確な数値を測定するため、健診前10時間以上は食事を摂らないのが原則です。前日の夕食は、消化の良いものを夜9時までに済ませ、それ以降は水やお茶以外のものは口にしないようにしましょう。アメやガムも血糖値に影響する可能性があるため避けてください。
2. アルコールの摂取
アルコールは肝機能の数値(γ-GTPなど)や中性脂肪、尿酸値に直接影響を与えます。特に前日の飲酒は、これらの数値を一時的に大きく変動させる原因となります。正確な肝臓の状態を把握するためにも、少なくとも健診の前日は「休肝日」とすることが強く推奨されます。
3. 激しい運動や筋力トレーニング
意外に思われるかもしれませんが、激しい運動は筋肉にダメージを与え、血液中のCK(クレアチンキナーゼ)という酵素の値を上昇させます。この数値は心筋梗塞などでも上昇するため、不要な再検査の原因となる可能性があります。また、肝機能の数値(AST)も筋肉のダメージで上昇することがあります。前日はウォーキングなどの軽い運動に留め、ハードなトレーニングは避けましょう。
4. 夜更かしや睡眠不足
睡眠不足は、血圧や血糖値のコントロールに影響を与える可能性があります。身体がストレス状態にあると、血圧が通常より高く測定されることがあります。リラックスした状態で健診に臨むためにも、前日は十分な睡眠時間を確保するよう心がけてください。
健康診断の前に「やるべきこと」リスト
特別な対策は不要ですが、普段の生活習慣を整え、リラックスして当日を迎えることが大切です。以下の点を意識してみましょう。
1. 水分を十分に摂る(水またはお茶)
食事は制限されますが、水分はむしろ積極的に摂るようにしましょう。水分が不足すると血液が濃縮され、血液検査の数値に影響が出たり、採血がしにくくなったりすることがあります。ただし、糖分を含むジュースやスポーツドリンクは血糖値を上げるためNGです。水か、カフェインの少ない麦茶などがおすすめです。
2. 消化の良い和食中心の夕食を摂る
前日の夕食は、揚げ物や脂肪の多い肉類を避け、魚や豆腐、野菜を中心とした和食が理想的です。脂っこい食事は中性脂肪の数値に影響しやすいため、あっさりとしたメニューを選びましょう。
3. リラックスできる時間を作る
健診に対する過度な緊張やストレスは、血圧の上昇につながります。前日の夜は、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かったり、好きな音楽を聴いたりして、心身ともにリラックスできる時間を作りましょう。
4. 当日の服装を準備しておく
心電図検査や胸部X線検査では、上半身の衣服を脱ぎ着する必要があります。ワンピースなどよりも、着脱しやすい上下セパレートの服装がスムーズです。また、血圧測定のために腕まくりがしやすい服装を心がけましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. サプリメントや普段飲んでいる薬はどうすればいい?
A. ビタミン剤などのサプリメントは、尿検査の結果に影響を与える可能性があるため、前日からは服用を中止するのが望ましいです。ただし、高血圧や糖尿病などで医師から処方されている薬は、自己判断で中断してはいけません。必ず事前に主治医や健診を受ける医療機関に確認してください。
Q. 当日の朝、タバコは吸ってもいい?
A. 喫煙は血圧や心拍数に一時的な影響を与えるため、健診当日の朝は禁煙するのが原則です。少なくとも検査の1時間前からは吸わないようにしましょう。
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