40代で2回戦ができない…年のせい?医師が原因と自分でできる対策を解説
健康情報・コラム
2025.11.06
40代で2回戦ができない…年のせい?医師が原因と自分でできる対策を解説
自身もAGAや医薬品の情報に悩んだ経験から、信頼できる医療情報だけを発信するブログを運営中。一次情報に基づき、読者の「あんしん」に繋がる情報を届けます。
医学博士。日本泌尿器科学会 専門医・指導医。日本Men's Health医学会 会員。10年以上にわたり、3,000人以上の40代・50代男性の性機能に関する悩みに向き合う。薬物療法だけでなく、生活習慣指導を組み合わせた根本的な改善アプローチを実践し、多くの患者の自信回復をサポートしている。「患者さん自身が正しい知識を持ち、ご自身の健康を選択できるようになること」をモッ- トーに、Webメディアでの情報発信も積極的に行っている。
10年以上にわたり、3,000人以上の40代・50代男性の性機能に関する悩みに向き合う。薬物療法だけでなく、生活習慣指導を組み合わせた根本的な改善アプローチを実践し、多くの患者の自信回復をサポートしている。本記事は、YMYL(Your Money or Your Life)領域のトピックを扱うため、上記専門家が責任をもって執筆・監修しています。
泌尿器科専門医の山田 健太郎です。メンズヘルスクリニックの院長として、10年以上、多くの40代男性の性機能に関するご相談に応じてきました。
「若い頃は違ったのに…」と一人で悩んでいませんか?その焦りや不安、痛いほどわかります。ですが、諦めるのはまだ早いです。
結論から言うと、「2回戦ができない」という悩みは改善できます。この記事では、医学的データに基づき、あなたの不安を「納得」に変え、危険な薬に頼る前に、まず試すべき『自信を取り戻すための3つの生活習慣』 を具体的にお伝えします。
読み終える頃には、漠然とした不安が消え、「まだやれることがある」という希望と、明日から何をすべきかが明確になっているはずです。
「あなただけじゃない」40代で2回戦ができない2つの医学的理由
👉 このパートをまとめると! 40代の性的不応期は、ホルモン(テストステロン)と血流の自然な変化が原因で、多くの男性が経験します。
「自分だけがおかしいのでは…」と感じるかもしれませんが、40代になって2回戦が難しくなるのは、決して珍しいことではありません。実際に、日本泌尿器科学会などがまとめた「ED診療ガイドライン」 によれば、40代男性の約5人に1人が何らかの勃起に関する問題を抱えているとされています。
あなたの体で起きている変化は、主に2つの医学的な理由に集約されます。
1. 男性のホルモン(テストステロン)の減少 (アクセル不足)
男性ホルモンの一種であるテストステロンは、性欲や勃起力の源泉となる、いわば体の「アクセル」です。テストステロンの分泌量は20代をピークに緩やかに減少し始め、40代になるとその影響が実感として現れやすくなります。射精後は一時的にテストステロンの働きが抑制されるため、もともとの分泌量が減っている40代では、回復までの時間が長くなってしまうのです。このテストステロンの低下が、射精不応期(一度射精してから、次に勃起・射精が可能になるまでの回復時間)が延長する大きな原因となります。
2. 血流の低下 (ガソリン不足)
勃起は、陰茎の海綿体という組織に血液が流れ込むことで起こる現象です。車で言えば、血流は「ガソリン」のようなものです。加齢や生活習慣の影響で血管が硬くなったり、血流が悪くなったりすると、勃起に必要な血液を十分に送り込むことが難しくなります。特に2回目の勃起には、1回目よりも強い血流が必要になるため、40代になるとこの「ガソリン不足」が顕著になり、2回戦が困難になるのです。
テストステロンの減少や血流の低下といった変化は病的なものではなく、加齢に伴う生理的なものです。しかし、次に解説する生活習慣が、この変化を加速させている可能性があるのです。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: まず、「これは自分だけの問題ではない」と認識することが、回復への第一歩です。
なぜなら、クリニックで「自分はもう男として終わりなのでは」と深刻に悩んで来院される方が非常に多いですが、これは病気ではなく、誰にでも起こる身体の変化だからです。過度な自己嫌悪はストレスとなり、症状をさらに悪化させる負のスパイラルに陥りがちです。まずは正しい知識を得て、冷静に自分の体と向き合うことが重要です。
諦めるのは早い!自信を取り戻すための3つの生活習慣
👉 このパートをまとめると! 治療の前にまず「運動」「睡眠」「食事」を見直すことが、40代の性機能改善への最も安全で確実な一歩です。
「年のせいだ」と諦めてしまうのは、非常にもったいないことです。なぜなら、40代の性機能低下の多くは、生活習慣病と密接な関係があるからです。高血圧や糖尿病といった生活習慣病が動脈硬化を進め、血流を悪化させることは、ED(勃起不全) の直接的なリスク因子となります。
裏を返せば、生活習慣を見直すことで、性機能の改善が十分に期待できるということです。専門的な治療を考える前に、今日から始められる3つの基本的な習慣をご紹介します。
1. 運動習慣:血流を改善し、血管を若返らせる
運動不足は血行不良の最大の原因です。まずは週に2〜3回、20〜30分程度のウォーキングやジョギングといった有酸素運動を始めてみましょう。全身の血流が改善されるだけでなく、勃起に関わる神経の働きも活性化します。 さらに、自宅でできる骨盤底筋トレーニングも非常に効果的です。これは肛門をきゅっと締める動きを繰り返すトレーニングで、勃起の維持や射精のコントロールに関わる筋肉を直接鍛えることができます。骨盤底筋トレーニングは、ED(勃起不全) に対する有効な対策の一つとして推奨されています。
2. 睡眠習慣:男性ホルモンを生成するゴールデンタイム
質の良い睡眠は、テストステロンを分泌させるために不可欠です。特に、深夜から早朝にかけての深い睡眠中にテストステロンは最も多く作られます。毎日7時間以上の睡眠時間を確保することを目標に、寝る前のスマートフォン操作を控えるなど、睡眠の質を高める工夫をしましょう。
3. 食事習慣:体の中からエネルギーを補給する
日々の食事が、あなたの体を作っています。特に、以下の栄養素を意識的に摂取することをおすすめします。
亜鉛: テストステロンの合成に不可欠なミネラルです。牡蠣や赤身の肉、レバーなどに多く含まれます。
アルギニン: 血流を改善するアミノ酸の一種で、ナッツ類や大豆製品、鶏肉などに豊富です。
抗酸化物質: 血管の老化を防ぐビタミンCやビタミンE、ポリフェノールなどを、緑黄色野菜や果物から積極的に摂りましょう。
さらに詳しい食材のリストや、忙しい方でも実践できるコンビニ・外食での具体的なメニュー選びについては、こちらの記事で徹底解説しています。
生活習慣が鍵!自信を取り戻すサイクル
生活習慣が性機能にどう影響するかを理解することが重要です。多くの場合、悪循環に陥っていますが、少しの意識で好循環に変えることができます。
悪循環サイクル
ストレス・運動不足・不摂生
↓
血流悪化・ホルモン低下
↓
2回戦できない・自信喪失
好循環サイクル
運動・睡眠・バランスの良い食事
↑
血流改善・ホルモン正常化
↑
パフォーマンス向上・自信回復
【警告】その薬、危険です。個人輸入に潜む3つの致命的リスク
👉 このパートをまとめると! 個人輸入のED薬は偽造品が多く、死亡例も報告されています。公的救済もなく、絶対に手を出してはいけません。
生活習慣の改善には時間がかかります。その焦りから、「手軽に効果が得られそう」とインターネットでED治療薬の個人輸入を検討する方がいますが、それは絶対にやめてください 。専門家として、その選択がどれほど危険か、強く警告しなければなりません。
ED治療薬の個人輸入には、あなたの健康、場合によっては命を奪いかねない、直接的な因果関係を持つ致命的なリスクが存在します。
1. リスク①:中身は偽物。死亡例も報告されている
インターネットで個人輸入されるED治療薬の多くが偽造品です。国内の製薬会社4社が行った調査 では、実にその4割が偽物だったという報告もあります。偽造薬には、有効成分が全く入っていない、あるいは逆に致死量に近い量が含まれていることがあります。 実際に厚生労働省は、公式ウェブサイト「あやしいヤクブツ連絡ネット」を通じて、個人輸入された偽造ED治療薬による健康被害事例を報告しています。ある事例では、「シアリス」という薬の偽造品に、本来含まれていないはずのシルデナフィル(バイアグラの成分)が国内承認量の2倍以上も含まれており、服用した方が死亡した可能性が指摘されています。
2. リスク②:深刻な副作用でも、公的な救済は一切ない
日本国内で医師から処方された正規の医薬品で重篤な副作用が出た場合、「医薬品副作用被害救済制度」という公的なセーフティネットによって医療費などが給付されます。しかし、個人輸入した未承認薬による健康被害は、この制度の対象外です。 すべてが自己責任となり、失明や心筋梗塞といった深刻な後遺症が残っても、誰にも助けを求めることはできません。
3. リスク③:医師に相談できず、症状が悪化する
個人輸入で薬を手に入れたという負い目から、頭痛や動悸といった副作用が出ても、9割の人が医療機関を受診せずに放置しているというデータ があります。初期症状を我慢しているうちに、取り返しのつかない事態に陥ってしまう危険性が極めて高いのです。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 「日本語パッケージ」や「+亜鉛配合」といった謳い文句は、危険性を隠すための悪質な罠です。
なぜなら、「シルデナエイト」のような未承認薬に手を出して、深刻な健康被害でクリニックに駆け込んでくる患者さんを、私は何人も見てきたからです。日本語で書かれているから安全、何か成分が追加されているからお得、ということは決してありません。安易な選択が、取り返しのつかない後悔に繋がることを、どうか知っておいてください。
40代の「2回戦問題」に関するFAQ
👉 このパートをまとめると! サプリの効果や病院に行くべき目安、正規の治療薬の種類など、よくある質問に専門家が簡潔に回答します。
最後に、患者さんからよくいただく質問にお答えします。
Q. 精力剤やサプリメントは効果がありますか?
A. 医薬品として承認されていないサプリメントに、EDを治療する効果は認められていません。一部の製品には血流改善をサポートする成分が含まれている場合もありますが、効果は限定的です。また、海外製の製品の中には、危険な医薬品成分が違法に混入されているケースも報告されており、安易な使用は推奨できません。
Q. どのくらい改善しなかったら、病院に行くべきですか?
A. まずは3ヶ月間、先ほどお話しした生活習慣の改善に取り組んでみてください。それでも全く変化が見られない、あるいは症状が悪化する、精神的な不安が非常に強いといった場合には、一人で悩まず専門のクリニックに相談することをおすすめします。性機能の悩みは、他の病気のサインである可能性もゼロではありません。
Q. 病院ではどのような治療薬(ED治療薬)が処方されるのですか?
A. 日本国内で承認されている主なED治療薬 には、「バイアグラ(シルデナフィル)」「レビトラ(バルデナフィル)」「シアリス(タダラフィル)」の3種類があります。それぞれ作用時間や食事の影響の受けやすさなどに特徴があり、医師があなたの健康状態やライフスタイルに合わせて、最も適切な薬を安全な用量で処方します。これらはすべて、医師の処方箋が必要な医療用医薬品です。
まとめ:自信を取り戻すための一歩を踏み出そう
この記事でお伝えしたかった要点を、最後にもう一度確認しましょう。
40代で2回戦が難しくなるのは、あなただけではなく、ホルモンと血流という医学的な理由があります。
諦める前に、まずは「運動・睡眠・食事」という3つの生活習慣を見直しましょう。
個人輸入の薬は命に関わる危険があるため、絶対に手を出さないでください。
あなたの悩みは解決できます。まずは今週末、20分のウォーキングから始めてみませんか?その小さな一歩が、自信を取り戻すための大きな前進になります。
もし、生活習慣を改善しても不安が残る場合や、専門家のアドバイスが欲しいと感じたら、一人で悩まずに専門のクリニックへご相談ください。最近はオンライン診療で気軽に相談することも可能です。
「オンライン診療って具体的にどうすればいいの?」と疑問に思った方のために、予約から薬の受け取りまでの全ステップを詳しく解説した記事をご用意しました。こちらもぜひ参考にしてください。
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