「カフェイン」が入ったエナジードリンクは身体に悪いの? 効果と悪影響を専門家に聞いた

この記事の取材協力

望月先生

取材協力

株式会社Luce代表 / 健康検定協会理事長

望月理恵子 先生

管理栄養士(栄養学、アンチエイジング)

 

1999年 東京家政学院短期大学 生活科学科 食物栄養学科 卒業 準学士
1999年 調剤薬局にて栄養カウンセリング
2001年 管理栄養士 取得
2005年 健康食品・化粧品の会社にて学術担当
2012年 株式会社 Luce 代表取締役

 

山野美容芸術短期大学や服部栄養専門学校にて栄養学の講師を勤める。また、日本臨床栄養協会評議員、小田原銀座クリニックの栄養顧問、健康検定協会 理事長など、栄養学、美容学の分野で活動。
その他、テレビや雑誌などを通して日常生活に密着した健康知識・栄養情報を発信中。

7月1日に、コカ・コーラブランド初のエナジードリンク『コカ・コーラ エナジー』(カフェイン入り)が発売されて話題になっていますが、皆さんはもう飲まれましたか?

エナジードリンクは、仕事に遊びに忙しい20代~30代の男女を中心に多くの人に愛飲され、疲れたときや頑張って良いパフォーマンスを発揮したいときには心強い味方です。

しかし、海外だけでなく日本国内でも「カフェイン中毒」によって死亡するケースが過去にあり、エナジードリンクに含まれたカフェインの悪影響が叫ばれました。

管理栄養士の望月理恵子先生に、カフェイン入りエナジードリンクの身体への影響とその効果について伺いました。

エナジードリンクで「集中力」と「筋力の増強」を得られる!?

エナジードリンク

エナジードリンクを飲むことで高揚感を得られ、仕事や勉強に集中できると感じるのはなぜでしょうか?

望月先生はこう説明します。

「エナジードリンクとは往々にして主にカフェイン、タウリン、グルクロノラクトン、ガラナ、ビタミンが含有されている飲料ですが、カフェインが中枢神経系を刺激し、覚醒・集中力を高めてくれます」

また、アスリートの例でいうと、パフォーマンスが向上して運動中に筋力の高まりを感じたという事例もあり、「カフェインの働きによって脳の神経活動を高める神経伝達物質の放出を促進・筋力を増強させてくれますと、実際に筋力増強の効果があることも解説してくれました。

ベストなパフォーマンスのための適正量

カルテを持った女医

エナジードリンクを飲む際、仕事や日常生活で心身ともに健康な状態を保ち、ベストなパフォーマンスをするための適正量はどのくらいでしょうか?

摂取する際の注意点と合わせて望月先生にアドバイスをいただきました。

「400mg/日以下(カフェイン)を健康な成人の目安とすれば有効に活用できます。

カフェイン入りのエナジードリンクを摂取する際、吸収を高めるアルコール、カフェインを含む飲料や食品、医薬品と一緒に飲むのは避けましょう」

カフェイン入りのエナジードリンクは身体に悪いのか?

カフェインは、集中力や筋力をアップさせる効果があるということですが、カフェイン入りのエナジードリンクによる中毒死の事例も過去にあることから、身体に悪い影響を及ぼす成分が含まれている可能性があるのでしょうか?

望月先生に真意を尋ねました。

特に問題なのは、カフェインの過剰摂取です。ただ、エナジードリンクはカロリーが高いものが多く、ノンカフェインも例外ではなく糖分の過剰な摂取につながる場合もあるので注意してください」

カフェインが身体に与える影響

コーヒー

カフェインは、コーヒーやお茶にも含まれていますが、エナジードリンクから摂取すると濃度が高くて危険ということでしょうか?

望月先生に確認したところ、下記のように説明してくれました。

「カフェインの感受性は個人差がありますので、少量でも体調に影響が出る人もいます。

また、高濃度のカフェインが1本に配合されているものは、体内のカフェイン濃度を急激に高め、中枢神経系や消化器管系を刺激して、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気を引き起こします。

さらに低カリウム血症など中毒症状を起こし、最悪死に至ることもあります」

カフェインの効果

カフェインは、1日適量であれば病気の予防になるといわれています。

カフェインの摂取が病気に有効に働いた事例を先生から教えてもらいました。

「コーヒー3杯以上(カフェイン量にして約180mg)の摂取で非メラノーマ性皮膚がん(基底細胞がんと有棘細胞がん)の発症リスクが抑えられたという報告があります。

その他、カフェインによって、低血圧、喘息、胆嚢疾患、C型肝炎、加齢による認知機能低下、記憶力、パーキンソン病、硬膜穿刺後頭痛、新生児の無呼吸、体重減少、運動能力、急性疼痛、糖尿病に対して有効性があるという研究があります。

また、国立がん研究センターによると、コーヒーによって、肝臓がんのリスクをほぼ抑えることができ、子宮体がんを防ぐ可能性もあると判定されています。

これは、カフェインだけでなくコーヒーのクロロゲン酸(ポリフェノールの一種)も影響しています」

飲み過ぎは身体に悪いのか?

カフェイン入りのエナジードリンクを飲み過ぎると、身体にはどのような影響が出るのでしょうか?

先生に質問したところ、身体への悪影響として主に下記を挙げられました。

・落ち着きがなくなる
・不眠
・吐き気
・震え
・心拍数の増加

「個人差が大きくカフェインの一日の摂取量は日本では定められていません。

アメリカの保健福祉省やカナダ保健省では、健康な大人は1日当たり400 mgまでであれば、中毒リスクは少ないとしています。

ただし、一度に一気に2本飲むと中毒症状が出るリスクが高まります。どうしても2本飲むならば、時間を空けて飲むことをおすすめします」

では、適度な量であっても、継続的に摂取することで病気の原因になることはないのでしょうか?

望月先生は「カフェインの量にもよりますが、カフェイン200mgほどであれば大丈夫です。以前はエナジードリンクの継続摂取で血圧が高くなると言われていましたが、1時間ほどの一時的なものです」と話します。

本数で言うと1~2本以内/日が適切ですが、海外製品の場合はカフェイン量が多いものや1本が700ml以上の大容量のものがあるため、事前にカフェイン量を確認することが大切です。

そして、注意しなければいけないのは、他の食品でもカフェインが入っているもの(コーヒー、お茶、チョコレートなど)を取っていると、過剰摂取となる場合があることです。

エナジードリンクを飲まない方がよい人

適正量を守ったとしても、カフェイン入りのエナジードリンクは、身体への刺激が強い飲料です。

もともと疾患や持病などがある場合、悪化することはないのでしょうか?

先生に回答いただいた内容をまとめました。

カフェインの過剰摂取による影響

・ 持病がある→体調不良を引き起こし、持病の悪化につながる場合もある
・ 妊婦→胎児への影響(低体重児、発達障害、栄養障害など)

*妊婦のカフェイン摂取量は、WHOでは300~400mg以下、英国食品基準庁では200mg
団体によって基準は差異があり、体調にもよります。

カフェインを少量でも避けた方が良いとき

・ 胃腸が荒れている時
・ 風邪や体調不良時

エナジードリンクで体調不良になったときの対処法

もし、エナジードリンクを飲んで体調不良になってしまった場合、どうしたらよいでしょうか?

応急処置と何科に受診する必要があるのかを望月先生に教えてもらいました。

「摂りすぎた時は、水分を多く飲み、排出を促してください。それでも改善されない場合は、内科や救急外来を受診してください」

水を飲む女性

まとめ

カフェイン入りのエナジードリンクは、適正量であれば気力や体力をアップさせ、生活の質そのものを上げる潤滑油として活用できそうです。

しかし、適正量はあくまで目安であって、個人によって異なります。

どんなに健康によいものも摂りすぎはよくありません。

自身の感覚では調子が良いと思っていたのに、実は中毒症状を起こしていたということも考えられます。

以前と比較して、少しでも身体に異変を感じたら、お近くの内科を受診するようにしましょう。

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